子供にとって親の役割とは?

考え方

1.過去と他人は変えられない

 カナダの精神医学者であり心理学者であるエリック・バーンの言葉に『過去と他人は変えられない、未来と自分は変えられる』という言葉があります。まずは前半部分の「過去と他人は変えられない』を取り上げます。

 過去に子育てで悩んだことを一つ挙げるとするならば、「結局のところ、過去と他人は変えられないのだから、子供の意思を尊重することが重要であり、子供にはやりたいことをやらせるのが一番なのではないか」ということです。もちろん、今となっては正解といえば正解ですし、そうでないといえばそうでないと考えています。ただ以前は、本当に悩みました。いやいや勉強させてもダメではないか、いやいやサッカーさせてもダメではないか、というようにです。無理やり他人(ここでは子供)を変えようとしても、もちろん上手くは変わってくれません。例えば、子供が「勉強はしたくない、プログラミングがしたい」と言っていると、プログラミングがしたいという意思は尊重してあげたい。でも、勉強はして欲しい。エリック・バーンは「過去と他人は変えられない」と言っているけど、一体どうしたらいいんだろうか?といったように悩んだものです。

 

2.エリック・バーンの交流分析

 『過去と他人は変えられない、未来と自分は変えられる』という言葉を初めて耳にした時、エリック・バーンという人の名前を聞いたことはありませんでしたし、もちろんこの言葉の意味も知りませんでした。しかし、この言葉に込められているであろう意味合いを自分自身で考え、或いはこの言葉を教えてくれた当時の上司の言葉に耳を傾けることで、私は様々な想像が掻き立てられました。

 たしか当時は、私が担当するお客様でのプロジェクトが難航しており、私がプロジェクト難航の原因はお客様にあるようなことを発言していたのだと記憶しています。その際、当時の上司がそんな私に、「お客様に問題があると考えていては何も変わらない。自分自身のやり方に問題があると捉え、自分の何を変えればプロジェクトが良い方向に進むのかをしっかり課題整理しなさい」と言われた時に、このエリック・バーンの言葉を聞かされたと記憶しています。

 このエリック・バーンの言葉にはいろいろ考えさせられました。そもそも今になって思えば、エリック・バーンの著書や解説書を読んでおけば良かったのですが、それは読んでおらず、この言葉の意味することを自分なりに考えてみて、現状に照らし合わせてみてはまた考えて、過去の自分の何がダメだったのか、そして明日から自分は何を変えればならないのかを本当に考えたことがありました。

 その後のプロジェクトの行方はさておき、この言葉を知ったことがきっかけとなり、その後の自分自身の考え方が変わったと今でも思っています。改めて言葉の力の大きさ、そして、言葉とは人を成長させる源泉であると感じたものです。そして、このことがきっかけになっていますが、その後の仕事はもちろん子育てに関しても、考え方がより一層高まったと感じています。

 そこでたどり着いた考え方の一つに、「子供の意思は尊重しなければならない。でも、人生において何が大切であるかは親が自らの姿勢で示すことが重要である。そして、その重要であることを子供が実践できるになるために、環境整備をすることが親の役割である」ということです。

 

3.未来と自分は変えられる

 エリック・バーンの言葉を知り、私なりに自分自身がそれまでの仕事を通じて行ってきたことを検証し、今後より良い成果に結びつけるための問題点を検討した結果、思いのほか多くの課題が浮き彫りになりました。その中の一つに、私はゴールは示すが、そこにたどり着くための道のりを明確に示さない、というものが思い当たりました。ここでいう道のりとは2つあり、ひとつ目は仕事をゴールに導くための具体策。そしてもう一つは、私は経営コンサルタントですからクライアントの幹部社員の意識改革を達成しなければならないのですが、その意識改革のための具体的な社内環境整備の手法だけを教えて、実際に作るお手伝いはせずに、クライアントの担当者任せにしていたことが思い当たったのです。

 その時、気付いたのですが、要するに私は大雑把であり、細やかな顧客フォローができていなかったのです。クライアントの担当者は、ゴールを示すだけではどのように行動して良いか分からず、ちゃんと具体策までを説明してあげないといけない。また、クライアントの幹部社員に対しても、あるべき論を伝えるだけではなく、具体的にどう変わるべきか、アクションレベルに落とし込んで気づきを与えるようなアプローチが必要だったにも関わらず、そこまでのフォローができていなかった私の不十分さによるものだったのが理解できたのです。

4.まとめ

 結局は子育てにおいても同様で、言葉で伝えるだけではダメで、細やかなフォローが不十分だったのです。例えば、宿題で理解できなかったことを一緒に振り返るとか、一緒に勉強の計画を立てたのなら、その進捗管理や結果の検証まで一緒にやってあげるとか。要するに言いっ放しだったのです。それが分かってから、間違えた箇所を一緒に考えてあげるとか、家庭学習の計画を一緒に週単位でリスケジュールすることを、仕事の合間時間にやってきています。

 しかし、まだ十分にできているかと言われれば、そうではありません。特に次男は小学5年生ですから、まだまだ目線を合わせて手をつないで一緒に歩んでいってあげないといけないなと反省しながら、このブログを書き終えたいと思います。

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