子育ては努力と愛情

考え方

1.新たな発見

妻を亡くしてから、二人の男の子を育てています。

妻を亡くした時、二人の子供は小学生でした。妻が亡くなるまでは、子育てに対して深く考えたこともなく、妻に任せっきりだったこともあり、今までの仕事中心の生活から子供のことを第一に考える生活に変わりました。

ただ、そのことで新たな発見がありました。一つは子供たちの個性、もう一つは私自身の個性です。

子供の個性に深く触れるようになり、子供たちがこんな個性を持っていたのかということに気付かされました。もちろん、良い個性もそうでない個性も見えてきました。そうなると、父親としてどうしても考えてしまうことは、将来、子供たちが社会に出ることを考慮して、良い部分は伸ばしていき、直さないといけないと感じる部分は直していくということです。

 

2.子供と親の個性のぶつかり合い

妻が亡くなってからの1年間、子育てしてきた本音の感想です。

子供には子供の個性があって、親である私の思い通りには生きてくれません。私の発する言葉の全てに共感してくれれば良いのですが、子供には子供の考え方や価値観があり、親である私の言うことの全てに納得はしてくれません。

そんな時、子供の意見を聞くのですが、「なるほど、そういう考え方もあるな」と思えば、子供の意見に従いますし、「それはちょっと良くないんじゃない」と感じられれば、なぜ良くないのか理由を添えて説明します。

それでも、子供たちが100%納得するわけではありません。このような場面はどこのご家庭でもあると思いますが、ふと私が感じたことは、「子育てって、子供と親の個性のぶつかり合いだな」ということでした。

ぶつかり合いという表現は適切ではないかもしれません。お互い一人の人間として、互いの個性に触れることで刺激が生まれ、自分自身の個性をより良いものへと成長させる、そういった関係性でしょうか。

そう考えると、子供は親から、親は子供から刺激を受け、自らの個性を磨いていく。生まれ持った個性は変えられなくとも、後天的に身につけられる個性もありますから、親子というのは最も身近に存在する良き人生のパートナーですね。

 

3.素晴らしい親になるために

誰しも、子供にとって素晴らしい親でありたいと思うのではないかと思います。素晴らしい親であるかどうかは、日々の努力と愛情によって決まるのではないかと思います。子供たちの幸せと成長を第一に考え、子育てに取り組むことで、素晴らしい親になれるんだろうと思います。

ただ、子供が成長するに従い、特に思春期を迎える頃に、それまでの親子関係を維持するのはそれなりに難しくなりますよね。本音で話し合うことが難しいなと思うことが度々あります。ただ、以下より書くことはしっかり実践していこうと思います。

 

4.教育について

教育とは何か?と聞かれれば、私はこう回答します。教育とは、子供の人生を形作る重要な取り組みであると思います。普通のご家庭ですと、ご夫婦が連携を図り子育てを進めます。我が家でも以前はそうでした。私が子供に厳しく接することがあると、妻は子供を励まし、本音の気持ちを聞いてあげながら、父親である私が子供に話したことを一つひとつ紐解いて、子供に理解を促します。

ただ、ひとり親のご家庭ですと、こういった夫婦が連携ができませんから、注意して子供に接することが必要だと考えています。

 

5.私が教育で注意すること

教育について、私が気をつけているアプローチを3つ記載します。

1つ目は子供の好奇心を見出すことです。人は誰しも自分自身が好奇心を持てるものについて、積極的に学ぶことができるのだと思います。それは子供たちも同じですから、我が子が何に好奇心を抱いているのかをしっかり観察して、その好奇心につなげて学びの大切さを教えることが重要だと考えています。我が家の子供たちも御多分に洩れずテレビゲームが大好きです。長男は将来、ゲーム開発のプログラミングの仕事をしたいという夢を持って取り組んでいます。しかし、ゲーム開発をしている企業は、プログラミング以外の仕事がたくさんあります。長男にゲーム開発の企業でどのような仕事があるのかを知ってもらうために、私はゲーム開発の業界、あるいはその業界にある企業のことを調べ、「マーケティングやプランナーという仕事もあるらしいで」「プログラミングの仕事からスタートして、仕事ができる人はゲーム開発全体を担当するクリエイティブディレクターというポジションにチャレンジするみたいやね。」好奇心の対象は何でも良いのです。そこから繋げて子供たちの人生について、親も一緒に考えてみることが大切だと思います。そして、今の勉強に少しでも意義を見出すことができれば、子供たちも頑張れると思います。

2つ目はコミュニケーションです。子供たちとは日常、学校や塾での出来事など、些細なことでも会話するようにしています。特に子供から話題を振ってきた会話には、できる限り手を止めて耳を傾けます。ひとり親は仕事に家事に忙しいです。ですが、たとえ話題がなんであろうと、しっかり耳を傾けながら子供の話に関心を示して言葉を返してあげることが大切です。そうすることで、親子関係は驚くほど良くなります。

3つ目は競争心を養うことです。これは周囲の友達を蹴倒すということではなく、共に切磋琢磨し成長していこうという健全な競争心をいっています。自分自身が成長することと、集団の中で協調性を発揮しながらチームの成長に貢献することの双方が大切だと思っています。そういった力を子供たちに身につけてもらうために、勉強なら「今回のテストの点数は何番目だった?」とか「平均よりも何点上だった?」と聞きますし、スポーツでも「勝ったのか?」「何点とったのか?」と必ず聞くようにしています。ちなみに、次男はサッカー部に入っていますが時折、「◯○君がミスして負けた」などと言います。そのような時はチームワークの重要性を話してあげます。次男が活躍してチームの勝利を牽引して欲しいという気持ちと同時もありますが、それ以上にチームの他のメンバーの力を引き出し、チームの総合力を引き出すようなプレーをして欲しいと教えています。

 

6.シングルファーザーである私がしつけで注意すること

しつけとは何かと問われれば、おそらく下記のようなことではないでしょうか。

しつけとは、「子供たちが社会で成功するために身につけるべき、人間性の重要要素である」と考えています。しつけにおいて重要なことも3つ書きます。

1つ目は一貫性ある考え方を親である私が持つことです。一貫性ある考え方(ポリシー)を持ってしつけなければ、子供たちを困らせてしまいますよね。もちろん、状況に応じて用いる言葉は変わりますから、表面的な言葉だけを捉えられると「お父さん、この前と言ってること違うよ」となります。ですから、親として躾を行うときは、何故このようなことが大切なのか理由づけを添えて、子供たちに説明してあげることが大切です。

2つ目は理解と対話です。我が家でもそうだったのですが、子供たちに大切なことを意味づけを添えて説明しても、なかなか意図が伝わらないものです。したがって、子供たちの言動の背景にある何が問題なのかを具体的に挙げた上で、大切なことを意味づけを添えて説明します。その後、子供たちに「では、あの時どうすれば良かったのかな?」と考えさせ、意見を出させるようにしています。子供たちがどの程度、理解してくれたかは、その際の子供たちの話を聞けばわかります。

3つ目はポジティブな方向づけをすることです。躾というと「◯◯はダメ」とか「△△しないといけないよ」という否定的な言葉遣いになりがちです。私自身もそうでした。躾は罰を与える行為ではないはずです。子供たちの個性をより良い方向に軌道修正するものですから、軌道修正することによって「このように良くなるんだよ」というポジティブな言葉で説明することが大切です。

 

7.シングルファーザーである私が親子関係で気をつけていること

これはズバリ、愛情と信頼が親子関係の礎だと考えています。愛情と言っても、幼少期のように頬擦りしたり抱きしめたりということは、子供たちが思春期になると男同士であっても難しくなります。したがって、気遣う言葉は常に掛けてあげています。「車に気をつけて行っておいで」「何か欲しいおやつはない?」何気ない言葉ですが、私は心から子供たちに気遣う言葉を日常から掛けています。万が一ですが、子供が交通事故に遭遇したなんてなると、亡くなった妻に申し開きができませんし、子供たちにそのようなことで大切な人生を失って欲しくないですからね。信頼は、こういった愛情の積み重ねだと思います。

 

最後に、子供たちの幸せとは何か?

些細なことでも幸せと感じられる人もいれば、周囲から見ると決して恵まれていないわけではないのに、自分自身を不幸だと思う人もいます。この違いってなんだろうと考えたことがあります。おそらくですが、子供たちが自己肯定感を持って、自分自身を受け入れることができているかどうかの違い。もう一つは、自分と未来は変えられるというポジティブな感情を持てるかどうかだと思います。子供たちがこのような感情の持ち主になれるよう、これからも努力と愛情を持って、子供たちと接していこうと思います。

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