子供の自尊心の養い方

先日、中学生の息子たちの中間テストが返却されてきました。中学3年生になる長男は、テストが実施された日の夕方には「結構できてるで」と言ってきたのです。本人も手応えを感じていたのでしょう。一方、次男のほうはというと特に何も言ってこなかったので、私の方から「どうやった?」と聞いてみました。小さな声で何か言っているのですが、ちゃんと聞こえませんでしたが、その反応で芳しくない状況であることはすぐにわかりました。

 

そして、テストの結果が返ってきたのです。次男は案の定、点数が伸びていなかったようで、本人もかなり意気消沈といった心情になっていると見えました。次男はまだ中学1年生ですし、今回のテストの結果が悪かろうが、これから挽回すれば良いのです。今回のテストを振り返り、何が反省点だったのかを次男なりに振り返り、次の向けて頑張ればそれで良いと思っています。しかし、次男はそのような気持ちになれないようで、通わせている塾にテストの点数を水増しして報告しているのに気付きました。やはり、自分をよく見せたい、カッコよく見せたいという気持ちが強いのだろうと思う反面、そうでない自分を認めたくないという心情もあるのではないかと思っています。

 

小学生の頃、サッカーでレギュラーになれなかったこと、上級生やコーチから認められなかったことが、次男の自尊心を傷つけてしまい、自己肯定感を失ってしまったのかもしれません。しかし、まだ中学1年生ですし、これから人生はいくらでも変えられますから、次男には自分に自信を持つ、あるいは今の自分を受け入れられるようになって欲しいと思っています。問題は、次男をどう導いていくかです。

 

親として私が次男にしてあげられること。それをまとめてみました。基本的には子供を信頼すること、ポジティブなフィードバック、自己認識、そして前向きなチャレンジだと考えています。以下に詳しく記載します。

 

1.子供を信頼すること

子供を信頼することは、親としては当たり前と思うかもしれません。しかし、重要なことは、子供が「自分は親から信頼されている」と思えるかどうかだと思っています。では、どうすれば子供から信頼される親になれるのか?これはズバリ、子供が感じている不安や悩みに耳を傾け、共感を示してあげることに尽きると考えます。

私の体験談ですが、次男は小学生の頃に所属していたサッカーチームで上級生やコーチから「下手だ」言われて落ち込んでいたことがありました。最初はもちろん、そのようなことがあったなどとは私に言ってくれません。ただ単に「サッカーの練習には行きたくない」と。いろいろ角度を変えて話題を投げかけたところ、ようやく「実は・・・」というように、次男から話してくれました。下手だと言われたことは残念だったけど、これからお父さんと一緒に頑張っていこうという話をしたのを覚えています。それからは、少しは前向きに練習に参加してくれるようになりました。

子供たちが思春期になると自立心も芽生えてきますから、小学生の頃のように甘えてくれる場面も少なくなりました。それに、親が干渉しすぎても子供は嫌がります。したがって、距離感の保ち方が難しいのですが、しっかり本音で話すことはやはり大切です。子育て四訓にある「青年は目を離せ、心を離すな」は、まさにその通りだと思います。日常は干渉しすぎず、此処ぞという時は、しっかり本音で向き合うことが大切だと思います。そうすれば、思春期の難しい時期でも、子供の心配事や悩みに耳を傾けることができるようになると考えます。

 

2.ポジティブなフィードバック

これは子供の努力の結果の良し悪しに関わらず、良かったところを見出して称賛してあげることを言います。私自身はこれが最も苦手であり、親としての課題だとも思っています。思い返すと、こういったポジティブなフィードバックがあってこそ、子供は安心して親に心を開いてきますから、何を差し置いてでも、この項目を実践することが最優先であると思います。

ここで重要なことは、子供が失敗したこと、結果を残せられなかったことに対しては、そのプロセスにおいて評価できる点を見出し、褒めてあげることだと考えています。そうすることで、子供は自らの失敗や悪い結果に向き合うための第一歩を踏み出すことができるようになります。この第一歩を踏み出せれば、あとは失敗の過程での反省点を振り返り、次の取り組みで改善することに繋げられます。

 

3.自己認識

かっこいい自分でありたいと思うのは、人間誰しも同じでしょうが、失敗したことや結果を残せられなかった自分を受け入れることができるココロを作ることも大切です。誰でも自分の欠点を指摘されるのは嫌なものです。加えて、世の中には口の悪い人も多くいますから、いくら自己肯定感を強く持てる人でも、他人から言われた言葉に傷つく瞬間もあると思います。そのような時に大切なのは、いかに早く立ち直るかです。そのためにも、自分自身の全てを受け入れられるココロを養うことが重要であると思います。

子供たちには、全てにおいて完璧である必要はないし、親である自分自身も含めて、そんな完璧な人間はいないということを折に触れて話しています。失敗は成功のもとという言葉があるように、テストの点数が悪くとも、サッカーでミスをしてしまっても 大切なのはその結果に向き合うこと、そして反省点を見出して次に繋げることだと伝えています。次男にとって、テストの点数が悪かったことは別に何の問題でもありません。むしろ問題にしなければならないのは、その結果に向き合い反省したかどうかにあることを伝えています。このように、自分自身に向き合うことの大切さを私なりに子供たちへ説明しています。

 

4.前向きなチャレンジ

これは、自ら見出した反省点に向けて、次のテストやサッカーの試合に向けて頑張り方を改善していくことだと思います。そもそも日頃の練習や勉強を頑張っていなかったことが反省点なのならば、次に向けて頑張ろうだと思います。頑張ったけど、何かが足りなかったのなら、その足りなかった部分を補おうだと思います。

ここで大切なのは、子供が自ら反省することだと思います。親が「あなたは今回ここがダメだったから、次に向けてこうしましょう」では、子供の前向きなチャレンジ精神は引き出せないと思います。子供自身が反省点を見出したこと、それに対しては子供も我が事と受け止めて、頑張れるのではないでしょうか。親として、子供が自ら反省点を見出せるよう、導いてあげることが大切だと思います。

 

これら、私なりに子供の自尊心の養い方を考えてみました。中学生とは言えども、まだまだ精神的には子供です。親である私が日常、子供たちに接している時に使う言葉、その態度一つひとつが子供の心に影響を与えます。したがって、最終的には親である私が、日常における子供の接し方を変えていかなければならないことだとも考えています。

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